「いのちの大切さ」を若い世代へ      教会長        

先月、「地図にない道を歩き出したあなたに 〜いのちを大切にする生き方〜」が、金光教大阪センターより発刊された。平成17年より、この本の出版御用に携わらせていただき、私自身感慨無量の思いであるとともに、一冊の本を作りあげていくことの難しさ、大変さをつくづく実感させられた。

 近藤武野難波親先生(現、関西金光学園理事長)が、積年の願いとして持っておられた「大阪の三校の高校共通で使われる『宗教』の教科書ができれば」との思いは、私もずいぶん前より聞かせていただいていたのであるが、正直なところ、「宗教科共通の教材を作ること無理なのでは」と思っていた。というのも、それぞれの学校で宗教の授業を担当する教師各自が、オリジナル教材や、自身の信心体験、人生経験をカリキュラムとして授業に当たっていたこと。それと、私なりの例え話で言えば宗教の授業は、音楽の世界で言うと「ライブコンサート」のようなもので、その時聞いたものが印象深く残ってくれさえすればそれでよいと思っているため、その「ライブ」を本にまとめて文章化することに違和感をもっていたためである。

 編集に際し、私も今までの授業内容から、何本かを文章化し、草稿として提出した。会議を何度も重ねるにつれ、さまざまな問題が噴出し、人間心で「このまま本当に刊行できるのだろうか」と思うことしばしばであった。
 しかし、今の若い世代に「いのちの大切さ」伝える糧ととしての、今までにないような「読本」を、の思いが、編集委員それぞれの中にあり、神様にお願いしつつ、刊行の運びとなったことはまことにありがたく、何度御礼を申しあげても足りない思いである。

 刊行に先立って5月に、私が担当する金光八尾高校1年生全員に本を配布し、教科書(読本)として使用を始めた。1学期は2編紹介させていただいたが、生徒の中には、次々と読みふけっている者もいて、「先生、○○の話、感動して泣きそうになったわ」などと言われた日には、私がありがたくて泣きそうになった。

 発刊を日夜ご祈念下さった難波親先生、編集の中心に立ってくださった大阪センター職員の先生方のお骨折りに、心より感謝の意を表すとともに、この本を通して、ひとりでも多くの若者が「神様から与えられたいのち、そして神心を大切にする生き方」をつかんでくれることを念願している。

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