褒める能力        近藤佐枝子


 「褒める能力」という言葉をちらりと目にした。インターネット上のもので、この言葉を書いた人もどこからかで聞いたものらしく、出典もはっきりしないのだが、心に引っかかった。その文章によると、「褒める能力」とは「相手の(人だけではなく物の場合もあるが)良いところを探す能力」のことである。そして、その対極にあるのが「相手の悪いところを探す能力」である。

 相手の悪いところを探し、指摘することによって人間は、自分が優位に立った気になるのか、腹が立った気持ちが収まるのか、なんとなくそういう事に出くわす場面が多いように感じるのは私だけだろうか?

 でも実際のところ、「相手の悪いところを探す能力」ばかりを身につけていくことによって、結局、自分に対しても「自分の悪いところを探す能力」に長けてしまい、自己評価が低くなり、前に進む勇気がなくなってくるというのだ。

 とても納得がいく文章だった。自分に置き換えても確かにそうだと納得できてしまう。そしてここで大事なのは、「探す」という行為である。お世辞のように表面だけで取り繕うのではなく、しっかりと相手を見て、自分を見て良いところを「探す」のである。

 私たち信心のけいこをさせて頂いている者は、神様に心をむけてそして「探す」けいこをさせて頂くのである。そういうふうに日々「褒める能力」を高めていく事で大きな意味で許す事につながり、結果われ人共に助かる事を願える自分になるのではないかと思った。




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