人に喜んでもらえることを生き甲斐として 近藤佐枝子

  9月の中頃、友人に誘われてある講演会に行った。友人は私の病気のことを心配してくれて、自分が会員になっている自然食品の講演会に誘ってくれた。前にも書いたが、私と同じ病気の別の友人が、癌で手術を受けたので余計に心配になったらしい。とてもありがたいことだし、話を聞かせて頂くということは、どんな話でも自分にとってプラスになることだと思っているので参加させて頂いた。

 教会の都合で1時間ほど遅れてしまったのだが、行ったら丁度、講演が始まる前だった。
それまでの1時間は商品の紹介や、体験談などをやっていたらしい。1時間遅れたのもおかげだったかなと、友人には言えないようなことを思ったりした。
 講師はあるお医者さんで、病気になった方へのカウンセリングのようなものを無償でしたり、講演で全国をまわったりしている方だった。心のケアを大事に思っているということが話の内容から伝わってきて、とても勉強になった。

 先生の話で心に残ったことが3つあり、どれも納得いくことばかりだった。1つは、生きるということは、川に浮かんで流れているようなものであるということ。場合によっては流れが速くなったり、荒れたりすることもあるだろうが、そのあるがままを受け入れ、流れにまかせて流れていけばいい。橋げたや岩にぶつかっても、「あっ痛ぁ!」でいい。自分でなんとかしようとあがいたり、流れに逆らおうとしたりするから不都合が起きてくるということ。

 2つめは、あるがままに前向きに、感謝して生きる。自分は自分なんだ。だから無理をして何かを見つけようとしなくてもいいが、後ろを向かず前を向いて自分として生きるのが大事。その時、起こってきたことに感謝して、笑っていけたらなお最高ということ。

 3つめは(これが先生の生き方ですごいなあと思うところ)題名に書いた、人に喜んでもらえることを生き甲斐として生きるということ。生き甲斐を見つけなさいと言われ、何か無理に探しにいってストレスを抱えてしまう人って多いそうで、無理にさがさなくても、生き甲斐はあるじゃないかと先生は言っていた。名声のためにするのは、人がどう思っているかが気になるからかえってよくない。ただ身近な人が喜んでくれることを喜びとして生きていくのが心身の健康につながるということ。
ひとつひとつに感銘を受け、講話が終わった後、友人にお礼を言った。帰ってからも先生に機関銃のように話した。
 この講話で頂いたことを神様に祈りながら、心がけていきたいと思った。

 

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