ふと思うは…   教会長
  


昨年10月22日に襲来した台風21号により、名張市にある「東山霊園」の一部が崩落し、多数の墓石が土砂に埋まり、
遺骨が散逸するという被害が出ました。そのお霊様を慰霊する祭典が、「名張市宗教者連帯会」主催で、1月13日に執り
行われました。私も金光教の代表として参列させていただいたことは、2月号の『和らぎ』でもお知らせいたしました。

 この慰霊祭の案内をいただいた時、市内各地で浸水被害が出たり、近鉄電車が丸2日運行に支障が出たりと、被害が
大きかったこともあり、何か胸に迫るものを感じたのか、年頭月例祭前日でバタバタする日であるにもかかわらず、参列
することを決めました。

 東山霊園には、うちの信徒の奥城が2基あるのですが、幸い、いずれも崩落被害からは逃れたので、純粋な気持ちでもって、
とにかく被害を受けられたお霊様を慰霊することを考え、他宗教の「僧侶」「神主」「牧師」の皆さんとともに献花をさせていただき
ました。
 
4月28日に小阪の大祭に参列させていただくため、お昼前に小阪に到着して、小阪の信徒の皆さんとお昼ご飯をいただいて
いる時、名張にご実家がある小阪の信徒の方と、ふとしたことからこの台風被害の話になり、「うちの実家の墓地が、台風の被害で
土砂崩れに遭って…復旧までは、相当な長い時間を要するそうで、散逸した遺骨がすべてのご遺族に戻るのは不可能なのだ
そうです。」という話になり、「えっ?東山霊園の?」「そうですそうです」と言われました。「実は私、かくかくしかじかで、その慰霊祭に
参列させていただいてまして」と、写真をお見せしました。その信徒さんは、大変喜んでくださいました。
 あの案内をいただいた時、胸に迫る何かを感じた答えをいただいたように思いました。

「ふと思うは神心」という先師の教えを昔いただいたことを、ふと思い出しました。この感覚、これからも大切にせねば!!

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