復興を祈る〜岩手にて   副教会長

 先月下旬、1泊2日で岩手旅行に行った。2日目はかなりの強行軍になったが、レンタカーで内陸の花巻を出発し、
岩泉方面から三陸の宮古に行き、遠野まわりで花巻に戻るというコースをとった。特に岩泉にある龍泉洞は、昨年
8月の台風10号の被害の影響で、長い間閉鎖されていたが、2日前に公開が再開されたばかりだということだった
ので、お繰り合わせをいただいて見学させていただくことができて本当にありがたかった。

 ただ岩泉の町はまだまだ台風の被害が色濃く残っていた。川沿いの家屋は一階部分が土砂で埋め尽くされていたり、
かなりの量の枯木がなぎ倒されたままだったり、道の駅も仮設の建物で営業されていた。道路も通行止めや工事で対面
通行の箇所が多かった。河川敷には流されたのであろう電化製品や家具などが山のように積まれていて、被害の大きさ
に胸が痛んだ。

 その後三陸方面に向かい、三陸鉄道の岩泉小本という駅に着いた。案の定「乗り鉄」と言われる教会長が駅を見学する
だけでは済むわけはなく、丁度いい時間の汽車があって「乗りたい」というので、そこから私が車で、教会長が汽車で、と
別れて宮古駅に向かった。運転していて気づいたことは、海に近いとはいえさすがリアス。ほとんどが山道だったが道は
しっかりと整備されていた。そしてとにかくダンプカーが多かった。フロント部分に復興の旗を掲げ、積載量のラインを守った
かなりの数のダンプカーが、安全運転で時に道を譲りながら行き来していた。そんな様子を見ると、まだまだ復興の途中で
あるということに改めて気づかされたこととともに、復興ということに誠実に真剣に取り組んでいるということが伝わってきて
、無事安全と御用成就を祈っていきたいと心から思った。そして自分で運転させていただかなければ気づかなかったことも
あって、このお繰り合わせに心から感謝させていただいた。
 このように色々な現実を見させていただいて、私にできることは祈ること、伝えること、できる範囲でお金を使うこと、そして
楽しむこと。そう感じさせていただいた。
 
余談になるが、一日目は東北屈指の奇勝、猊鼻渓(げいびけい)と平泉に行った。特に平泉は子供のころから
ずっとずっと行ってみたい場所だった。一番行きたかった高館義経堂には芭蕉の句碑があり、伊賀との繋がり
を感じ、私は少しテンションが上がった。


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