ちょっと感動した映画   近藤佐枝子

 なんとなく気になっていた映画が、DVDになってレンタルされていたので、先日借りて見てみました。「SURVIVE STYLE5+」という映画で、CMプランナー・CMディレクターの方二人が作られた映画で、好きな俳優さんが出ているということもあって、軽い気持ちで見始めました。映画としては独特な世界で、ついていくのが精一杯という感じで、でも嫌いじゃないなぁと思ったのですが、ひとつの家族のエピソードが好きで、何度か見てしまいました。

 以下映画の内容に触れます。

 ある家族が(父・母・姉・弟)有名催眠術師のショーを見に行きます。そこで舞台に上げられた父が催眠術でハトにさせられます。そこに殺し屋がやってきて、催眠術師が殺されてしまいます。父はハトになったまま生活することになります。母・姉は嘆きます。何とか元に戻せないかと手を尽くし、イライラし、暗い家庭になってしまいます。でも小学生の弟は、お父さんはお父さんなのにとその状態を受け入れていきます。父はハトなのに飛べないのが悲しくて飛ぶ練習をします。弟もそれを応援し一緒に練習し、学校でお父さんの絵を描いたときに、空を飛ぶお父さんの絵を描きます。教師には一笑されますが…。そしてラストシーン。ある男がビルの窓から飛び降ります。そこにハトのお父さんが飛んできて、その男を背中に乗せて空を飛ぶのです。

 この映画は色々な人たちが出てくるオムにパス形式の話で、それが少しずつリンクされているのですが、その中のひとつの話です。

 この話は極端だと思うし、単純だけど、かえってそこが好きだったりします。世間的な目で見たら、常識レベルだったらなんの役にも立たない鳥になってしまった人間が、人助けをし、人の命を救ったこと、子供が、鳥になったお父さんを受け入れ、応援し「僕のお父さんは空を飛べるんだ」と堂々と絵に描いて宣言し、「すごいんだ」と自慢するところ。

 一緒に願ってくれる人がいて、一緒に願いながら努力をすれば願いはかなうんだなあとか、どんな人でも、なにかのお役に立つことはできるんだとそんな風に感じ、前向きになれたそんな話だったなと思いました。



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