礼文島の花
『桃岩に向かう道の斜面に、ハマエンドウかと見える赤紫の花を見た。エンドウよりレンゲに似て、もっと厚手でたくましい。図鑑で知ったレブンソウであるらしい。群れをなして砂礫の崖をいろどっている。いかにも風当たりの強いところを避けて、安住の地得ている感じである。
夕闇迫るそのあたり、二、三百メートルの細径をゆきつもどりつしただけで、シシウド、チシマフウロ、エゾタカネナデシコ、イブキトラノオ、イワオウギ、ミヤマキンポウゲ、エゾスカシユリ、ミヤマハタザオ、エゾオトギリなどの花々を見た。足許の低いところには、ウメバチソウやミヤマオダマキもあり、もっとも多いのはレブンソウとエゾヨツバシオガマである。大きな岩塊であるこの桃岩は、農耕にも植林にもむかず、将来長く高山植物の楽園となって、多くのひとびとをたのしませてもらいたいと思った』
ーーー【花の百名山】田中澄江 著。文藝春秋(1997年)より

利尻礼文サロベツ国立公園に属する礼文島は、いまから約2万年前は大陸と地続きでした。氷河期が終わると海面が上昇して離島となった礼文島には太古から咲きつづけてきた高山植物が残されたのです。
おおよそ300種の草花が生育する花の島・礼文島へは、2000年7月30日に訪ねました。

レブンウスユキソウ
(6月〜7月)
レブンアツモリソウ
(5月〜6月)
レブンコザクラ
(5月〜6月)
キジムシロ
(5月〜6月)

エゾスカシユリ
(6月〜7月)
エゾカンゾウ
(6月〜7月)
レブンソウ
(6月〜8月)
クロユリ
(6月)

チシマゲンゲ
(6月〜7月)
レブンキンバイソウ
(6月〜7月)
トウゲブキ
(7月〜9月)
エゾハクサンイチゲ
(5月〜6月)

チシマキンレイカ
(6月〜7月)
ネムロシオガマ
(6月〜7月)
チシマフウロ
(6月〜7月)
イワベンケイ
(5月〜6月)

エゾエンゴクサ
(4月から5月)
チシママンテマ
(7月〜8月)
レブンタカネツメクサ
(7月〜8月)
ハマベンケイソウ
(7月〜8月)

イブキトラノオ
(6月〜8月)
チシマリンドウ
(8月〜9月)
エゾウメバチソウ
(8月〜9月)
エゾツツジ
(6月〜7月)

エゾノコギリソウ
(7月〜9月)
タカネナデシコ
(7月〜9月)
ツリガネニンジン
(8月〜9月)
礼文町発行の観光パンフレッドより抜粋