角間木谷造林地の手入れ 2003.4.27


角間木谷の取り付き
【紀伊山地野生鳥獣保護友の会】の冨田会長ご夫妻と、角間木谷造林地へ入山し広葉樹の手入れをしました。

この造林地は、およそ10年前、シバクリ、クルミの苗木を、数百本、渓谷沿いに植樹した場所です。

ツタや蔓が木に巻き付いて成長を阻害するので、毎年、この時期にそれらを刈り取る手入れを行ないます。

ヤブツバキ、ヤマブキ、ヤマザクラ(ほとんど散っている)などが谷を飾っていました。なにやら動物の骨も見つけたよ。

昨年、この谷で遊ぶ、親子のツキノワグマが目撃されています。



角間木谷は、とても奥深い渓谷です。
昔、上流でワサビの栽培も行なわれていたそうです
清冽な瀬音が響きます。
数多くの野生生物を育む豊かな峪に、見たくない物が散乱していました。

己の欲望のためにのみ、発砲する人間どもの愚かさよ
野生生物たちの無力を想え、もの言わぬ彼らの悲しみを想え


ツキノワグマや、数多くの野生動物を殺した男の身に起きる、不可解で悲惨なできごとの言い伝えを聞きました。

それにつけても、
新緑の森は清しいものだ


冨田会長夫妻とカミサン


ツタを刈るカミサン


作業を終え、木陰でくつろぐ冨田夫妻


戦いすんで日が暮れて・笑
森林が完全にバランスが取れた状態に向かっていくと、針葉樹と広葉樹が混じり合った針広混交林へとなっていく。これを極盛相の森といいます。角間木谷は、まさにそんな感じのする渓谷でした。
自然が、ここまでなるのには、三百年から五百年の歳月がかかると言われています。

手入れして皆で利用する里山の自然も、それはそれで親しみやすく懐かしいものですが、手付かずの森というか、この峪の持つ魅力に惹かれています。